備忘録

書きたいことや思ったことの殴り書き。

初日

今年も長期ではないものの10日間の旅に出る。

とりあえず成田空港に着いて時間を持て余しているのでこれを書いている。

 

今回の行き先は旅人なら一度は行きたい彼の国である。この国は昔からどうしても行きたかったが、なかなか時間的余裕も取れず、今回が初となる。

 

そんな憧れの国、普段ならワクワクするはずなのだが、今日はどちらかと言うとワクワクより不安を感じる。なんでかは分からないが、恐らく色んなところに行ったり、色んなことを経験するにつれて自分自身が死を多少なりとも意識するようになったからかな、という気もする。

行けばそんな不安なんて吹き飛ぶとは思うのだけれど。

 

空港についてブラブラしていたら、本屋が目に入った。今回は主にLCCを使うので、予め電子書籍やら映画をタブレットにダウンロードをしていたものの、やっぱり旅の前は何か本を買いたくなる。

そこでふと目に入ったのが、深夜特急だった。

深夜特急は大学一年生の時に読んだ。この本が頻繁に旅に出るようになったきっかけになったかどうかはあまり覚えていないが、少なくとも旅というものの見方に関してはこの本が強く影響していると思う。

この本では現代でフォーカスされがちな絶景とかそういうんではなく、物乞いとの出会いとか、大小のギャンブルとか、そういう人間味あふれる部分がどちらかといえばフォーカスされているし、読んでから4年経った今でも鮮明に覚えている。覚えているくらいには、自分の中での旅における人間との関わりの占めるウェイトは大きいし、あれを読んだからこそ、今の自分の旅行観がある、と思う。

 

そしてその旅行観というものを形成していくにあたって、絶景というものには正直うんざりしている部分もある。正確には絶景が嫌いなのではなく、そればっかりがフォーカスされるところに。正直時代の流れ的にインスタグラムやTwitterが最盛期な今、写真でそれなりにワクワクが手っ取り早く伝わる今、そうなるのは仕方ないとは思うが、それが一番に来るのはなんとなく気にくわない。

 

話はそれたが、旅の前だと言うのに漠然とした不安しか感じていない今、必要なのは深夜特急だと思い、3巻目を買った。

まずはトランジットでバンコクまで。出来れば現地に到着するまでにインドの章を読みきってしまいたい。そして表現し難い興奮を覚えつつその地に降り立ちたい、と思う。