Istanbul
They call it chaos. We call it home.
人はそれをカオスと呼び、我々はそれを家と呼ぶ。
フラッと入った土産屋のTシャツに書いてあった言葉だ。この言葉ほど端的にイスタンブールを形容している言葉はないと思う。気に入ったので引用させてもらう。
2年ぶりに訪れたが、相変わらずのカオスっぷりにやっぱり圧倒された。
ヨーロッパとアジアの境目と言われるだけあって、望遠レンズで切り取ればヨーロッパの街並みっぽくも写るし、広角レンズで広く撮ればアジアのようにも写る。
新市街にしても旧市街にしても、建物一個一個を取り出してみれば完全にヨーロッパのそれなのだけれど、整然としているわけでもなく雑多に並べられたそれらを遠くから見ると途端にアジアの様相を呈してくるので不思議だ。
旧市街に足を運ぶと、迷路のような市場に迷い込む。建物と細い道が一体化したような迷路は、カタールやイスラエルで目の当たりにしたスークやバザールと似ているし、中近東の雰囲気を感じる。
道端で座りながら中東名物のめちゃくちゃ甘い紅茶をすするおじさんたち、海峡で釣りをする人々、客を呼び込もうと叫ぶ人、談笑する警官、日向ぼっこをしている猫、どこからともなく聞こえてくるクラクション。
インドなどとはまた違った感じのカオスっぷりだと思う。
イスタンブールを切り取れば、ヨーロッパのようにも見えるし、中近東のようにも見えるし、インドのようにも見えるし、いろんなところに共通点を見出せる気がする。
でも逆はどうかというと、ヨーロッパを見ても中近東をみてもインドを見ても、イスタンブールっぽいな、とはならないと思う。こう言った様々な文化をごちゃ混ぜにして出来上がったカオスがイスタンブールなんだと思う。
いろんな場所に行ってきたけど、イスタンブールと似ている都市は見たことがない。きっと唯一無二の場所だからこそ、"We call it home."なのだろうな、と思った。