備忘録

書きたいことや思ったことの殴り書き。

デンマークの医療制度について

デンマークの医療が無料であるということは日本でも徐々に有名になってきていますね。

これはデンマークとしてもイチ推しの特徴。

しかもデンマークは幸福度ランキング5位以内を争うような国家。さぞかしいい医療を享受できるのでしょう。。。

 

と思うでしょうがデンマークの医療にかかったことのある人のほとんどが口を揃えて言います。「そんな訳無いじゃん。クソだよクソ」

今回身を持ってデンマークの医療を体験してきたので体験記を書いていこうと思います。

 

とりあえず今はブログがかけるくらい状態が良くなってるのですが、看病だったり薬を提供してくれた友達の皆様改めてありがとうございました。

病気の経過

先週水曜日

朝起きたと同時に体のだるさと喉の痛みを感じる。鏡を見てみると右側の扁桃腺が腫れていて体温も38度。「あーこれは扁桃炎だ」となったものの、扁桃炎自体は年に必ず1回はなってるような病気なので薬でも飲んで寝るか、位の感じに捉える。たぶん日本でも薬があれば病院行ってない。

この日は39度くらいまで熱が上がり、まあつらいっちゃぁつらかったけれど辛さの原因はどちらかというと体のダルさなので一日ずっと寝て終わり。

先週木曜日

体のだるさもあって一時間おきくらいに起きてしまい、全然眠れなかったものの薬のおかげでかなり良くなっていて、数日あれば治りそうだなってかんじに。

先週金曜日

薬なしで熱も37度ほど。喉の痛みも多少はあるけど扁桃腺はほぼ正常。ということでまあこりゃ明日には治ってるでしょ、ということで日曜日にハンブルクへ友達と行くことに。この日も念には念をということで一日安静。

先週土曜日

熱は下がったにしても喉の痛みが思ったように良くならず。はちみつだったり保湿だったりいろいろ試すんだけど全然良くならず。ちょっと不安ではあるもののその状態で夜行バスに。

先週日曜日

夜行バスの道中、保湿には気をつけていたつもりだったのだけど今度は喉の左側が激しく痛みだし、これはやばいかも知れないと思いロキソニンを服用。この日は結局計3回ロキソニンを服用し、耐えられる程度の痛みのまま終了。ハンブルクは楽しかった。

今週月曜日

痛みで起きる。ロキソニンは強めの痛み止めとて、痛み止めなので切れたらまた痛くなる。先週の扁桃炎の痛みよりも幾分か辛い痛みだったのと、痛みの雰囲気が2年前の入院案件と似ていて、これは早めに病院行ったほうがいいなと思い早朝友達に電話してもらい(しゃべるのが結構辛かった)、アポを取って病院へ。本来は家庭医→救急外来→救急車の順番の緊急度だけど、祝日の早朝に家庭医はやってねぇだろってなって救急外来に行きました。

救急外来ではアポの時間から1時間後にやっと呼ばれて診断。いつから痛いのかとかいろいろ聞かれた後に、じゃあ最近がいるかどうかのテストをするね、と言われStrepというすぐ出る検査をやってもらうと、結果は陰性。陰性とわかった瞬間にどこが悪いかとかそういったことを何も言わずに

「残念ですが、これ以上こちらでできることは何もありません。今までどおり痛み止めを飲んで様子を見てください。ありがとうございました(握手求められる)」

いや、飲んでも全体的には悪化する一方で、なおかつ2年前悪化した結果入院になったからこっちは来てるんですけど、、、

と思い抗生剤とかってもらえたりしないんですか。というと

「無理です」

これにて試合終了。幾分か失望して家へ。辛いながらもまあロキソニンを飲めば数時間はましになるので仕方なく家で寝ることに。

 

今週火曜日

朝3時に痛みで起床。前日の痛みと同じくらいの感じだったものの、ここでロキソニンを飲むと一日の許容量的にすぐ切れてしまう、と思い再び寝落ちるまで我慢。結局4時頃に一旦飲んでまた就寝。

前日にFacebookで病院での出来事を愚痴っていたところ、親切な友達が「抗生剤あげるよ!」と言ってくれたのでキタコレ、となり友達に会い抗生剤をもらうことに。

抗生剤はロキソニンとの併用ができない系のやつだったのでロキソニンを止めて夜の抗生剤投与に備える。これが暫定的な痛みをさらに悪化させることとなってしまい、喉の左側、左側の歯と耳がめちゃくちゃ痛くなる。顔も圧倒的に左側が腫れているという状況。2年前の急性喉頭蓋炎での入院がフラッシュバックするし、今回は一人暮らしなので余計に怖くて寝れず。心配してくれた別の友達がその日一緒にいてくれて精神的にかなり楽になったものの痛みは増す一方で、気道もどんどん狭くなってきている。ということでもう一度病院チャレンジ。

前回救急外来であんな感じだったんで、痛みもひどいし、眠れないし、熱も上がってきてるし、しゃべれないし、呼吸もどんどん辛くなってきてる。何が何でも診て欲しいという気持ちで112、救急車に電話しました。最初は友達が代理で電話していたのですが「本人と直接会話が出来ないと救急車は呼べない」と言われ、苦し紛れに電話に出ると、「家庭医には連絡した?連絡していないならあした家庭医に言ってくれ。喋れるじゃん」と医者に言われて通話終了。救急車拒否られました。今思うけどあの医者は絶対に性格悪い。

とはいえ粘らないと仕方ないので二回目電話。とにかく息が苦しかったので、そこを強調するとなんとか来てくれることに。来てもらったはいいものの、脈などを測って、「うーん、いいことっちゃいいことなんだけど正常だよね。確かに2年前に同じ感じで入院してるから心配になるのはわかるんだけど、救急車呼ばなくても救急外来に電話すればいいんじゃないかな。24時間いつでも見てくれるよ」と言われて少し申し訳ない気分に。確かに救急外来でもよかったな、というのは正論なのですが前日の対応がひどすぎてその気にはならなかったのです。ここは素直に自分が悪かったなぁと。

その時に救急外来も予約できはしたのですが、この時点で朝4時。さすがにそろそろ脳的に眠気が来ていたので寝落ちを待つことに。また、これ以上痛みが大きくなったらやばいなということで、抗生剤を一旦止めてやっぱりロキソニンを飲むことに。

今週水曜日

ロキソニンを飲むとかなり体が楽になって、とりあえず数時間は寝れた。喉も耳も痛いけれどロキソニンが効いている限りまあ耐えられるレベル…といった感じで昼を迎える。

しかし昼過ぎくらいにやっぱり喋れないくらい喉が腫れて、かつ耳もめちゃくちゃ痛い、ということで再度電話することに。

今回は反省を活かして、家庭医から攻めようということに。

しかしここに来て衝撃の事実が発覚。

家庭医、何も言わずに閉業してた。

…家庭医制度とかまじでやめろよ…

ということで再び救急外来へ。今回は二つあるうちの別の病院を選択。

行くとまず受付で喉をチェックされ、診療の必要があるかどうか確かめられる。腫れが弱いとたぶんここで追い返されます。厳しい世の中だ。

この日は口蓋垂扁桃腺がこの1週間の中で一番腫れていたため通過。待合室で待たされること20分ほどで呼ばれると、いきなり採血。

採血が終わり再び20分ほど待つと、医者に呼ばれて診断開始。診断はいたって簡単なものだったものの、抗生剤と痛み止めの説明をした上で無事処方してもらったうえで、食事等に関するアドバイスももらうという具合で非常に好感触でした。

そしてこの日の夜あたりから、抗生剤が効いたのかなんなのかわかりませんが、痛みがかなりましになり、久々にしっかりとした睡眠をとることができました。

今週木曜日(今日)

今日です。試験でした。口頭試験なので治らなかったら死んでるとこだった、、

前日に「とりあえず今日の分だけ薬出しておくから、残りは薬局でもらってね」と言われたので試験前に薬局に行って薬を処方してもらうなど。CPRカードに処方箋などの情報が全て入ってるという便利な世の中。

そして薬を飲んでいますが、痛み止めによる胃痛と微かな喉の痛みを除けばほぼ体調は万全といったところまできていて、24時間でこんなに体調変わるもんかってなってます。なんにしても10日ほどで治ってよかった次第…

 

医療制度について

この国の医療制度は少々無理があるのではないだろうか?と今回切に感じました。というのもこの国の医療は公共機関としてのみ存在しており、民間医療は存在しません。

つまり競争もないし、最先端の医療はともかく死には至らない程度の病気に対しては医師任せのようなところがあるなと。どういう態度を取ろうが自由、みたいな。

そもそも医療費を無料にすることによって、結果的に診療して欲しい人たちの大半は門前払いを食らうって状況にデンマーク人は納得しているのだろうか、という疑問は非常に大きくて。大病にかかっても依然として医療費がタダというのは大きいですが、医者にかかるためのハードルの高さが、大病にかかる前兆を見逃してることに繋がってる事例も実証できないにせよたくさんあるだろうし、そう考えると本当にこの医療制度は成功していると言えるのだろうか…?とも思う。

そもそも家庭医だって突然いなくなるし…笑

 もちろんいい医者もいますが、競争がないせいでいい医者が多いとはお世辞にも言えないというか、医者ってコミュニケーションもそれなりに大事だと思うけど、デンマークの就業態度をそのまま医療に持ってきましたみたいなやつがたくさんいるのもまた事実。

 

家庭医が存在しないという特殊なケースなのであまり参考にはならないですが、とりあえず医者に粘り強くかかること、家庭医→救急外来と順々に攻めていくのが大事だな、と今回感じました。

しかしこの制度、日本の医療に慣れきってると本当に厳しいものがある。タダはタダだな、ということを痛感しました。