オランダはWageningenに来て一週間。
夏の気まぐれな天気も、夜まで明るいのも、慣れるまではいかないにせよ一度デンマークで経験しているのでストレスには感じず。
着いた翌日に大型のバンを同期の日本人と一緒に借りてIKEAに行ったおかげで、生活の基盤も整ったのは非常に大きいなと感じております。
3月に来たときは「くっそ小さい町だな」と思ったのですが、くっそ小さい町のなかでも案外必要なものは揃うようにできてるし、ネットショッピングも普通に出来るのでストレスなく生活できそうだなぁと。
風向きによってはドアを開けた瞬間に家畜の糞の匂いが漂ってくる田舎っぷりに慣れるのには少々時間がかかりそうだけれど笑
授業のシステム
着いてからここまでの1.5週間はガイダンス要素が強め。ほとんどオンラインですが、早くも修士コースのシステムのしっかりしている具合に感動しているところ。
まず、ワーゲニンゲン大学と日本の大学とで決定的に違うのが、こっちでは1年間授業、残りの1年の2/3が修論、1/3がインターンというのが基本の構成になっていて、2年間ずっと研究をやるわけではない、というところ。
修論で何をやりたいのか、をぼんやりと決めつつ、そこを意識して1年間の授業で何を取るかを決める、といったイメージ。
1年間の授業にしても、必修はそんなに多くなくて、自分のコースは選択必修が3つくらいあるだけ。「この研究室でインターンをやりたいならこの授業は受けてね」みたいな。
必修で埋まるのは60単位中18単位ほどで、のこりはほとんど自由。これは個人の裁量で決められるのだけれど、一応「この授業取るなら、こういう知識があったほうがいいよ」とか、「この授業の履修にはあの授業を取っておくことが必要だよ」みたいなことがシラバスに書いてあって、そういうのを考慮していくとなんやかんやで履修の方向性は大体決まってくる。
ただ、結構「学部レベルの知識」とか曖昧な要件のものもあって、どの程度か分からなかったりすることもしばしばあって、そこで大きな存在感を発揮するのがStudy Advisorという制度。
各コースに数人のStudy Advisorという役職の人がいて、この人たちが生徒一人一人にアドバイスをくれる。例えば自分自身の興味を伝えたうえで、あるセメスターでどの授業を取ろうか迷っているときにおすすめのコースを教えてくれたりとか、「その授業を取りたいんだったら要件が結構厳しいから、これをあらかじめ取っておいたほうがいいよ」とか。Study Advisorはしっかり博士号を取得して、授業なども開講しているようなれっきとした科学者が兼任しているので、授業についての質問はほとんど何でも答えてくれる。
そして、自分自身の履修計画及び研究計画も、すべて最終的にはStudy Advisorのチェックが入ってStudy Advisorから承認を得る必要があるので、それなりにしっかりとしたプランニングが出来あがる(んじゃないかと個人的には予想している)
がちがちに固められているわけではない、けど自分がやりたいことを実現するためにどういうことが必要なのかをアドバイスをしてくれる、というシステムが非常に素晴らしいなぁと感嘆しておりました。
また、農業研究は、収穫前の研究なのか、収穫後の研究なのか、など、時期を選ぶ研究が非常に多い。そのため、1年目の途中で研究を始めて、2年目に授業を後回しにするなどの融通も利くのもいいなって思った。
あとは、唯一の必修のコースがこれまたユニークで、修士レベルでの仕事を可能にするような、仕事に関連するスキルを身につける授業。各々自分に足りないスキルを同定してそれを身につける、ということを目的にしていて、それを受けたうえで必修のインターンに臨むことが出来る。自分はインターンとかを全くせずにここまで来てしまったので、そういう授業が必修になってるのはありがたいな、と。
学生のやりたいことを最大限実現させつつ、卒業後学生が社会に出て活躍できるようなステップも用意しているわけで、そりゃ学生からも社会からも評価高いわけだ、と納得したし、今のところは期待で胸がいっぱいです。
6ピリオド制で1ピリオド目に取れるのは2つの授業のみ。2つのことに関して集中的に学ぶというのは大変だろうなという想像はつく(コペンハーゲンがそうだったので)けれど、最初の滑り出しが肝要だと思うので、もがきつつ頑張ってみようと思います。