備忘録

書きたいことや思ったことの殴り書き。

大学での授業

授業が始まって2週間ほど、非常に充実した毎日を送っております。

ワーヘニンゲン大学での授業は、日本のそれとはまったく違うので、授業の違いについてちょっと書いてみようかなと。ちなみにまだ2週間しかやっていないですがめちゃくちゃ良いです。

 

ちなみにワーヘニンゲンなのか、ワーゲニンゲンなのか、ヴァーヘニンゲンなのかは諸説ありますが、英語読みするとワーゲニンゲン、オランダ語読みするとヴァーヘニンゲン、ただWの音がワに聞こえなくもないのでワーヘニンゲンでもまあ間違いはない、って感じかなと思います。

 

まず、1年で60単位取らないといけないのですが、1つの授業が基本的に6単位分なので、年間で60/6 =10個前後が限界という感じです。

1年が6ピリオドに分かれてて、1,2,5,6ピリオドが12単位、3,4ピリオドが6単位づつ取るような感じ。

で、各ピリオドごと午前、午後の授業に分かれている、という感じです(3,4ピリオドは短いため一日中)。

今は午前中が「2030年に持続可能な食糧生産を実現するにはどうすればいいのか?」を考える授業。午後は「作物学に関する実験を行う上での方法論」に関する授業。

日本だと1授業について大体90~105分/週って感じだったのが、ここでは10時間/週、って感じで当然ながらめちゃくちゃインテンシブ。でも、ずっと講義を受けているわけではないです。

午前の授業なら実際に持続可能な食糧生産を実現しようと働いている人にインタビューする授業があったり、現場で何が起きているのかのケーススタディーがあったり、グループを組んでそのグループで課題を設定して、最終週にプレゼンテーションをする、みたいな感じで日によってやることが違ってきます。

また、例えば持続可能っていっても、何に関して持続可能な食糧生産を目指すのか?とか、山積みの問題の中でどこに注目してどういう解決策があるのか?など、問題提起を先生がしつつそれについてみんなで考えていく、といった感じなのでとにかく学びが深いです。あと思考のプロセスとかも社会に出てから役に立ちそうだなーということばかり。

午後の授業も、あらかじめ組まれたフィールド実験を行いながら、自分で仮説を作って、それを証明するにはどうするべきか?などを理論と実践を交えつつ学んでいく授業。

こういう盛りだくさんな授業が出来るのは、Course coordinatorが何人もいるから、ってのはあるなぁと感じます。先生一人一人の負担が少ないというか。

受動的に講義を受けるだけじゃないので準備とかの面でも大変だけど、それでも学ぶことはすごい多いな、って思います。ちなみに日本の、実験は実験で、講義は講義で授業が分かれてるシステムをこっちの人に教えると大体びっくりされる。

実はこういうインテンシブな授業形式、デンマークでもそうだったので、慣れるのにはそんなに時間はかかっていないものの、デンマークは1ピリオドが長い分1ピリオドにつき3-4つの授業だったので、ワーヘニンゲンのほうがよりインテンシブ

 

学部生の頃の授業はそれはそれで面白かったし、最先端の農業に関する技術とかが勉強できたのは良かったなって思ったけど、学べば学ぶほど、まだまだ勉強不足だなと思ったし、このまま日本の大学の修士に行って、学会とか研究ベースの2年間を送っても、自分が将来やりたいことをやるための能力はつかないんじゃないか?って学部4年の時に悟ったというのもあってコースワーク主体のヨーロッパの大学に来たというのもあるので、今のところ思い通りの感じで本当に楽しいです(忙しいけど)

 

コロナ禍においては授業は基本的にオンライン。教室に入っていい人数が決まっていて、大体の授業は生徒の数>教室のキャパ、になってしまっているので講義はオンラインで行われることが多いです。まあBreakout sessionとか使ってそれなりに上手くやってるな、という感じではあるけれど、やっぱりキャンパスで授業は受けたいなぁという気持ちは少しあります。

ただ、少人数のグループワークだったり、先生との話し合いとか、実験とかでキャンパスにも行けるのでそれはありがたい。出来るだけ大学側としても最低週2はキャンパスにいけるように、という形で調整しているみたいで、キャンパスに行く機会があるのはありがたいものの、それのせいで毎日のようにスケジュールが変更になるのは疲れるな、と。一長一短ですね。

 

とはいえ、本当に充実しているし、修士で研究メインではなくてもっと勉強して知識を深めたい、というひとには本当におすすめできるなぁと思いました。ちなみにヨーロッパではワーヘニンゲンに限らずそういうコース体系の大学院が多いとおもうので、調べてみるといいかな、と思います!