普段の旅行記とはテイストを変えて、今回はタンザニアのサファリツアーについて。
アルーシャ発の3泊4日のサファリツアーに行ってきました。
- タンザニアのサファリツアーとは
- サファリツアーを選ぶ
- サファリツアー1日目:タランギレ国立公園
- サファリツアー2日目:マサイツアー・セレンゲティ国立公園
- サファリツアー3日目:セレンゲティ国立公園
- サファリツアー4日目:ンゴロンゴロ保全地域
タンザニアのサファリツアーとは
まず大前提、タンザニアのサファリツアーがどんな感じなのかについて。タンザニアのサファリツアーは基本的にはアルーシャもしくはモシを出発地点とするものが多く、どちらにしても回る場所は大体一緒で、セレンゲティ国立公園、ンゴロンゴロ保全地域、タランギレ国立公園をランドクルーザーに乗って回るのがメジャー。
セレンゲティはネコ科やカバ、ンゴロンゴロはサイ、タランギレはキリンやゾウの群れやバオバブ、とそれぞれで見やすい動物や植物が変わってくるため、まんべんなく動物を見たいのであれば全部行くのが吉。
タランギレが一番近く、セレンゲティが一番遠いので、1泊や日帰りのツアーも存在するもののこれで行けるのはタランギレが関の山で、3つまわるなら3泊4日が最低限の泊数。
また、ツアーには1台のランクルを数グループでシェアするグループツアーと、1台を貸切るプライベートツアーがあり、当たり前だけど前者のほうが割安。
宿泊先は数ランクあって選べますが、一番安いのはキャンプサイトでお金を出せばロッジにも泊まれるという感じ。
サファリツアーを選ぶ
日本語のブログなどでサファリツアーの情報を探すと、7WondersやWanyamaといった会社が出てきますが、7Wondersはあまり口コミがよくないこと、Wanyamaは値段が結構高かったため、二つとも諦めて、他をあたることにします。
ちなみにコロナ禍以前の値段の情報は全くあてにならなかったです。Wanyamaの3泊4日ツアーに600ドルで参加したという情報を見てそれをWanyamaに伝えたら、「その額なら2泊3日のツアーしか無理だね」と言われて、800ドルよりも安くはなりませんでした。
ガス代の高騰、コロナ禍の分を取り返す、などもありますが、あとはこういった会社のほとんどが欧米系の人によって経営されているので、彼らの本拠地が欧米にある以上欧米の物価に合わせて値段は上がっていきます。日本人にはつらいですね。
結局、Safari bookingsというサイトで絞り込んで、安いかつ口コミの良い会社を探して予約することに。
当初の予算を軌道修正して、700ユーロまで出せる、といった感じでMeru Slopesという会社とCubs Expeditionという会社の二択まで絞ります。
Safari bookingsを経由して申し込むことも出来るのですが、自分の場合時間がなかったので会社のホームページに載ってる電話番号にWhatsappを飛ばしてツアーの詳細と値段を聞きました。
どちらも結構安かったのだけれど、Cubs Expeditionが3泊4日、空港までの送迎、ツアー前後のホテルをつけて730ドルといってきたのでこれで行くことに。もっと交渉すれば安くなったかもしれないけれど、もう交渉に疲れていたのでこれで良しということにしました。
現金で730ドルも持っていなかったので、100ドル分はドルで払い、残りをタンザニアシリングをおろしてそれで支払うことに。
サファリツアー1日目:タランギレ国立公園
1日目、朝8時ごろにホテルに迎えに来て、ランドクルーザーに乗り込みます。今回のツアーはハネムーンで来たイスラエル人カップル2人、親子で来たイタリア人2人、ソロトラベラーの自分とオーストリア人の6人。これに加えてドライバー兼ガイドの7人で移動します。
ちなみに、自分が申し込んだのはCubs Expeditionですがツアー自体はWildlife experienceという会社でした。不審に思いましたが、まあ1人とかだと人数合わせのために知り合いの会社とかにあっせんされることも多々あるそうで(というのもツアー内容はどの会社もほとんど同じ)、斡旋先の会社も口コミはよかったのでまあいいかと。
3時間ほどでタランギレ国立公園に着いて、運転手が入構手続きを取るまでに20分ほど待ち、そしていよいよ公園へ。
入ると早速樹木の葉を食べているキリンの群れに遭遇。
乾季で干上がった川にはゾウの群れがおり、鼻で川底に穴を掘ってポンプのように水を吸い上げていました。
間近で見る野生動物に関心しっぱなしでパシャパシャ写真を撮っていきます、が、意外と胃もたれしてくるのも早いというか、インパラとかをずっと見ていると「早くもっとライオンとかそういうの見てぇ!」ってなってきます。
そんなライオンや、チーターやヒョウなども見れました。見れたと言っていいのか微妙な距離だったりもしたけれど、ガイド曰くタランギレでこれだけ見れるのは結構ラッキーらしい。
他にも、イボイノシシ、シマウマ、ヌー、ダチョウ、アフリカニシキヘビ等々、色んな動物が見れました。
そしてバオバブを中心としたさまざまな景色も満喫。
この日はタランギレとンゴロンゴロの間くらいにあるマニャラ湖の近くにあるキャンプサイトに泊ります。自分とオーストリア人がキャンプサイト、残りの4人はロッジを選んでいたので、ここからは3泊とも夜はオーストリア人と一緒にキャンプをすることに。
キャンプと言っても自分たちでやることは少なく、基本はシェフも帯同だしテントの設営も自分たちでやるわけではないので、そんなに大変ではない。ちなみにこの日は寝るときの恰好を誤って強烈な腹痛と寒気で夜中に起き、次の日は完全に地獄のような体調でした。
サファリツアー2日目:マサイツアー・セレンゲティ国立公園
2日目。2日目はンゴロンゴロ保全地域を抜けてその先にあるセレンゲティ国立公園を目指します。ちなみに朝から腹痛がひどく、何か食べれば腹痛、風が当たれば腹痛、といった感じで、体温は測らなかったものの多分38度はゆうに超えていた気がします。
いつ腹痛が来てもおかしくない状態でサファリするの、怖すぎる(国立公園内では決まった場所を除いていかなる場所でも下車できない)。
セレンゲティに行く前に、ンゴロンゴロクレーターの写真スポットを通るのでそこで一時停車。クレーターデカすぎる。
そしてンゴロンゴロのクレーターを大回りして超えて、しばらくしたところにあったマサイの村で車が停車。なんだか嫌な予感がします。どうやらイスラエル人カップルがマサイ村ツアーに参加したいといったらしい。正直体調も悪いし全く乗り気ではなかったけれど、参加することに。1人10ドルなのでまあべらぼうに高いわけではない。
日本におけるマサイ族のイメージと言えば遊牧民族でとにかく視力がいい、そして人間離れした跳躍力、みたいな感じなわけですが、マサイ族の一定数は非常に現代的な生活をしているし、一定数は観光客に向けたビジネスをしていて、それがこれ。
まずは歓迎の歌とやらで迎え入れてくれるわけですが、見るからにわかる向こうのやる気のなさで最初からめちゃくちゃ萎える。
そして中に入ると、Jump Competitionなるものが行われるのだけれど、ここでもまた大して高く飛ぶわけでもないマサイ族を見て「一体何を見せられているんだろう」という気分になる。
思うに彼らは「こうすれば旅行客が喜ぶんでしょ」といった感じでやっているのだけれど、それが「とりあえず歌う」とか「とりあえず跳ぶ」とかだからなんというか見てても全く「おおー」とならない。でも、欧州の人らがアフリカに来るのって日本人が東南アジアに行くのと同じくらいのテンションだから旅行慣れしていない人もかなりいて、そういう人たちにはそれくらいのジャンプと歌でもウケがいいのだろうな、と思ったり。
そのあとにもマサイの学校のようなものを見せてくれるのだけれど、それも子供を使ったショーにしか見えず興ざめ。
結局そのあたりで発熱中である自分の体力が限界に達したので一足先に車に戻ります。
10ドルの価値があるのかというと正直ないなって思いましたが、「観光業に全振りしたマサイの生活を見る」という意味では価値はあるかも。そして彼らの生活を否定したりするつもりもないですが、このビジネスは短期的には儲けは良いのだろうけれど長期的に見た時にいつ観光客が興味を失ってもおかしくないような気がしてしまいます。
そんな感じで微妙な気分になりながらセレンゲティ国立公園へ。
セレンゲティというのはマサイの言葉で「果てしなく広い平原」といった意味で、実際その通りでとにかく果てしない。
そして道を走っていると…
めちゃくちゃ立派なライオンのオスが。今までの疲労やモヤモヤが全部吹き飛びます。
この後も、カバやハイエナ、ナイルワニ、ヘビクイワシなどを見れて結果的にめちゃくちゃ満足
サファリが一通り終わった後は、国立公園内のテントサイトに行きます。昨日の失敗を活かして今日はめちゃくちゃ厚着をして寝袋に入ろうという算段。この辺で熱は下げておきたい。
テントサイトと国立公園の間には全く境目などがないので、理論上ライオンなども来れるわけですが、早速こんな鳥が。
アフリカハゲコウという鳥らしい。
サファリツアー3日目:セレンゲティ国立公園
3日目は朝早くに起きてセレンゲティ国立公園内をドライブ、昼過ぎにンゴロンゴロの方に向かいます。
が、前日にタイヤがパンクしたらしくそれの対処をドライバーにしてもらいます。ドライバーの方には頭が上がりません。
早朝から陸地にいるカバを見てテンションが上がり、
樹上でリラックスしているライオンのカップルを見て、
チーターの子供や親を至近距離でみて、
ヒョウも間近で見れて、もう大満足でした。
ちなみにこの後もう一度パンクしました。セレンゲティ国立公園が動物のバリエーションしかり一番楽しかった気がします。もう少し日数があるツアーだともっと北のほうにも行けるんだとか。
この日はンゴロンゴロのキャンプサイトに泊まったのですが、
シマウマとかテントの横にめっちゃいた。
サファリツアー4日目:ンゴロンゴロ保全地域
さて最終日。最終日は2日目に見たクレーターの中に突入していきます。ンゴロンゴロ保全地域自体はでかいですが、サファリをする、となると基本的にはこのクレーターの中をドライブすることを指します。
キャンプサイトからの朝焼け。めちゃくちゃ綺麗。
ンゴロンゴロはBIG5と言われる動物の中でまだ唯一見れていないサイが比較的見やすいところ。ということでサイが見れることを期待していきます。
クレーターを降りていきなり見れたのはジャッカル。
そして程なくして、ウガンダの国鳥でもあるホオジロカンムリヅルが
色んな鳥がこのクレーター内にはいて、このほかにもペリカン、ハゲタカやフラミンゴなんかも。
フラミンゴは近くで見ると目が怖い。
結局最後までサイは見れず。こればっかりは自然相手なので仕方ないですね。それでもめちゃくちゃ満足行く3泊4日でした。
1日目は「これ4日ってマジかよ」ってなってましたが、終わってみると1週間くらいいてもっとゆっくり動物観察できてもよかったかなぁ、なんて思ったりもします。
サファリツアー、動物好きなら一回は行った方がいいだろうし、異なる特徴を持つ3つの国立公園に一回のツアーで入れるというのはかなり良かったな、と思います。