備忘録

書きたいことや思ったことの殴り書き。

アフリカ旅行記-マラウイ~モザンビーク

マラウイの次の目的地はモザンビークモザンビークに行くのも友達がいるからなのだけれど、裏を返せば友達がいなければ行っていない国の一つ。

事実マラウイモザンビークというルートは観光地的に、ビクトリアの滝やナミブ砂漠などに比べると面白味に欠けることもあって、旅人の王道ルートからは外れる。そのため情報が笑っちゃうくらい少ない。

日本人がモザンビークに入る場合はビザが必要で、モザンビークのオフィシャルな情報だと、「出国先に大使館がある場合は事前にビザを取得すること、ない場合はアライバルビザも可能」という風に書いてあって、マラウイには大使館があるので、事前にビザを取得する必要がありそうだ。

数年前の情報だと、在マラウイモザンビーク大使館では申請当日もしくは翌日にビザが発行されるということが書いてあったので、翌日に発行されるていでビザの申請をしにリロングウェにある大使館に向かう。

リロングウェの宿代>ムチンジ・リロングウェの往復+ムチンジの宿代だったので、この日は荷物はムチンジに置いて、あらかじめ印刷した必要書類とパスポートのみをもってリロングウェに向かうことにした。

リロングウェにあるモザンビーク大使館の場所を調べると、大使館の場所はすぐに出てくるのだけれど、Google mapの口コミに「ここは昔の場所で大使館は移転した」と書いてある。が、事前にマラウイ在住のモザンビーク人に聞いたら「ここが正しい場所だから問題ない」と念を押されたのでそこに向かう。

地図に示されたArea40という地域まで歩き、ピンを建てた場所に来たが、それらしき建物はない。仕方ないので近くにいた警備員に聞くと、「昔までは大使館だったけれど、今は別の場所に移転した」と。移転した場所はそこからさらに3キロほど北に行ったArea43という場所にあるらしく、仕方なくバイクタクシーを捕まえて正しい場所に行ってみる。

近づいてくると、モザンビーク大使館(正確には領事館のような感じ)の文字が見えてきたので、案内板に従ってバイクタクシーを誘導する。Area43には小綺麗な家が立ち並び、そこには「〇〇国大使の家」などと書かれている。どうやらそういった偉い人が住むエリアのようで、そういった立派な家以外ほぼ何もない。

目的の大使館に着き、バイクを降り、門のところで受付を済ませて中に入ろうとすると守衛に「半ズボンじゃ入っちゃいけないよ!」と呼び止められた。これに関しては完全に自分の不手際だった。実際前日に「ドレスコードとかあるかな」と一瞬頭をよぎったものの、「いや、長ズボンは暑いよな」と思って半ズボンにした経緯があったので、完全に自分のせいだ。

せっかくリロングウェに来たのに大使館に入れずに帰るのは勿体なさ過ぎるので、周りで長ズボンを買ってもう一度入ろう、と気を取り直す。Google Mapを開いて洋服屋を探す。が、見ての通り周りは豪邸ばかりで洋服屋なんて全くなさそうで、1.5キロほど戻ったところにあるスーパーに売っていることに賭けるしかない。相変わらず焼き付けるような暑さだったのでバイクタクシーを使いたいところだが、財布を取り出して中を見て唖然とする。4000クワチャ(3ドル弱)しか入っていない。これじゃあそもそもズボンを買えるかどうかも怪しい。銀行ATMはさらに離れて4キロほど歩かないとなさそうだ。立て続けに色々なことが裏目に出てしまって思わず大きなため息が出るけれど、とりあえず歩いてスーパーまで戻り、もしズボンが売ってたらとりあえず買って大使館まで歩いて戻ることにする。

25分ほど歩いてスーパーに着く。道中「ズボン落ちてないかなぁ」とか本気で考えながら歩いていたけれど、ついぞ道端に落ちているズボンは発見できずにスーパーまで来てしまった。スーパーを見渡しても長ズボンはなかったが、スーパーから出たらズボンを手売りしている商人がいた。値切り交渉の末2500クワチャでゲット。とりあえずこれで大使館には入れそうなので、気を取り直してモザンビーク大使館に再突撃。

 

無事大使館に入れたので、「観光ビザの申請をしたいのだけれど」と伝える。必要な書類を伝えられたのでそれを一通り渡したうえで、「いつ頃発行されるの?」と聞くと、「早ければ1週間、普通なら2週間、一番遅くて3週間。あなた25日の国内線のフライトもってるけど、これには間に合わないわよ」とあっさり言われてしまった。

数年前の情報だと当日または翌日発行と聞いていたので、「Expressみたいなのないの?」と聞くと、どうやら廃止されて、今は書類を全部モザンビーク本国に送って照会しないとビザが降りないことになっているらしく、領事権限でのビザ発行とかはできないらしい。

6日後のモザンビーク国内線のフライトを予約していたので、だいぶ困った。ダメもとで「アライバルビザはないの?」と聞いてみると、「国境に行ってビザを取れなかったとしてもそれはあなたの自己責任です」という、答えになってそうでなっていないような答えが返ってきた。正直「無理です」ときっぱり言われると思っていたので、そこで煮え切らない回答が返ってくるのであればこれは行けるんじゃないか、と思い、気を取り直して国境に行くことにする。

 

というわけで後日、国境に向かう。マラウイからモザンビークに入ることが出来る国境はいくつかあるのだけれど、自分が今回目指すテテというモザンビーク中西部の都市に入るボーダーはDedzaボーダーかZobueボーダー。どっちの国境にしてもアライバルビザを発行している確証はなかったので、より距離の近いDedzaボーダーに行くことにした。

リロングウェからDedzaまでは大体バスで2時間ほど。料金は8000クワチャほどでもう少し安くなる気もしたけれど、クワチャを残しても仕方なかったので言われた通り支払う。Dedzaの街からボーダーオフィスまでは2キロ弱なので歩けないこともない距離だけれど、あまり時間を使いたくなかったこともあってバイクタクシーで。

Dedzaのボーダーは近いうちにマラウイモザンビークの共同出資で1つのオフィスにまとめられるらしい、というニュースを見たのだけれど自分が行ったときはまだオフィスは別々だった。マラウイ側の出国は出国カードのようなものを書いて完了、のはずが「PCR検査を受けてないと出国できない」と審査官に言われる。そんなわけなかろうと思って調べるとやはりそんなことはなかったので、後ろに並んでた人に「PCRの陰性証明必要らしいんですけど持ってますか?」と聞いたり、審査官に「日本大使館に電話しますね」というと、苦い顔をしながらスタンプを押してくれた。賄賂のための簡単なウソなんてすぐにばれるし、向こうとしてもウソを押し通すリスクは高いのでこっちが毅然とした態度でやりあえば払わずに済むのだけれど、それでも賄賂が横行しているのは払う人がそれなりにいるからなのだろう。

 

マラウイでの思い出に泥を塗るような賄賂請求をかわしてモザンビークのボーダーオフィスに入る。「ビザは持っているか」と聞かれたので「持ってないから観光ビザを取りたい」と伝えると、「パスポートを見せろ」と言われる。正直ここで断られていない以上「これは行ける!」と感じた。

言われた通りにパスポートを渡し、ついでに大使館に行ったときに申請に必要な書類と言われていた宿の予約証明書、銀行の残高証明書、パスポート用の写真、モザンビークからの出国手段を明記した書類を渡す。ただ、「証明写真は後で取るからいらないよ」と言われたり、残高証明書を渡したときに「こんなものまで持ってきたのか、用意周到だねぇ」と言われたりしたので、アライバルビザの申請時の必要書類はどうやら大使館でのそれよりも緩いっぽい。

しばらく待っていてと言われたのでオフィスの中で待つ。入国審査のボスはどうやら親日っぽい感じで、いろいろと日本についての質問をされたりで嫌な感じはせず、会話をしながら時間が過ぎるのを待つ。1時間ほどして、入国に必要なカードを配られ、それを言われた通り記入する。そしてその後証明写真をオフィスの小部屋で撮ってもらい、ビザの印刷を待つ。

写真を撮った後さらに30分ほど待つと再び呼ばれ、ビザ料金の支払いを済ませる。ビザはどうやらダブルエントリーで30日間有効のもので50ドル。聞いていた感じ100ドルくらいかと思っていたので、思ったより安い。てかダブルエントリービザなんてモザンビークにあったのか。最後にしっかりと入国スタンプを押され、"Mr. Ken, Welcome to Mozambique"とボスに言われる。この度一番の難関だと思っていた国に無事入国出来、肩の荷が下りる。

そんなこんなで、59か国目、モザンビークに入国。