サッカーでワクワクしたいな、とルヴァンカップ決勝を見た後だから余計に思う。
他人として見た試合であれだけ面白いものを当事者として受け取れる格別さは、試合に勝とうが負けようが変え難いものがある。カップ戦決勝、後一歩が届かなかったアウェイ上海、勝てば優勝のマリノス戦などなど、その舞台に立てたものだけが味わえる空気と感情は確実にあって、それを現場で見てこれた有り難さ。
花火を打ち上げたり、有名な歌手を呼んだり、スタジアムの飯を充実させたりすれば満足度は上がるのかもしれないが、それは心を震わせるような試合には遠く及ばないと思うしLoyaltyが上がるわけでもない。
サッカーは不確定要素が大きいから大きな投資をすればすぐに結果が出るものでもないというのは百も承知だけれど、それでも投資をして強くならなければならない、と思う。なぜならサッカーチームだから。サッカーというアイデンティティにおいて勝負をしないと意味がないと思うから。熱狂とかいうキーワードを出すなら、そのための舞台に立たないといけない。
それを諦めて、サッカーは不採算事業なのでサッカー以外でユーザエクスペリエンスを高めてそれに満足する客を集めます、サッカー選手というプレミア価値を高めて購買単価を上げて推し活ビジネスを推進します、という方向で行くのなら、もうそういう風に明確に打ち出してほしい。表面だけの熱狂でタダ券をばら撒いてインフルエンサー招待して、国立競技場の観客動員数だけを自慢するクラブになるんですかね。サッカークラブとして全く魅力を感じないけれど、そう言い切るならそれはそれで潔い。
ビジネス面の基盤を固めて、その上でサッカーに投資をする、といっていたが、いつになったらサッカーに投資をするのか。ピッチ内とピッチ外のアンバランスさが解消されるのか。そもそも今まではサッカーに投資をできていなかったようにも聞こえるけれど、旧体制の時だってタイトルマッチやACL、海外遠征は出来ていたわけで、そこをベースラインとして考えると「ビジネス面固めてからのサッカーへの投資」というロジックを持っていてもなお不満は残るのには変わりはない。
残り全部勝ってアジアに棚ぼたで行けてしまうのか。佐藤龍之介に東京の未来を見るのか。なんでもいいけど、サッカーでワクワクさせてほしい。