前回。
チューリッヒ空港には無事定刻に着いた。
友達の寮の最寄り駅までトラムで行って落ち合う予定だったので、とりあえずチケットを購入することに。
1回4.4CHF(500円くらい)とバカみたいに高いが、だいたいそういうところは一日券はそんなに高くない。8.8CHFで1日券が買える。はずがなかなか券売機でその項目が見当たらず、13.3CHFで別の1日乗車券を買うことにした。1日券といっても24時間有効なので、24時間強滞在する自分にとっては都合がよい。
トラムに揺られて街をぼんやり見てると、郊外のほうは5階建て程度の綺麗なビルが整然と並んでいる。スイスの街のイメージ通りだった。
空港から市街地に向かうにつれてヨーロッパ感が増していく。友達との待ち合わせていた駅で降りるやいなやマリファナの臭いが充満していてヨーロッパに来たことを改めて実感。
無事落ち合った後、もうすでに夕暮れ時ではあったけれど旧市街を案内してもらった。
ほとんど閉まっているので閑散としている。
途中歩いているといくつか広場を通ったけれど、どこもこんな感じでチープな椅子が雑然と並んでいるだけだった。天気のいい日はこういったところに学生がビールとかを持ち寄ってだらだらするらしい。固定の椅子を置かずにこういう椅子を置くことで、クリスマスマーケットの時とかはすぐに椅子を片付けて準備に取り掛かることが出来るし、あまり見たことはないけれど合理的なやり方。もっとも椅子が盗まれないなどの前提が整っているからこそではあるのだけれども。
物価が高いので(とはいってもデンマークと同じくらいだったのでそこまで驚かなかった)、当然外食なんてものはせず、スーパーで食材を適当に買い調理することに。ドイツ資本のLidlはここスイスでも安定の安さだった。
食に関してはあまりケチりたくないけれど、予算の都合上削るべきは食費なので仕方ない。
ご飯を食べて翌日のプランを考えることに。翌日は1日フリーで、23時の夜行バスでフランクフルトに向かうことになっていた。
最初はリヒテンシュタインに行くつもりだった。チューリッヒからリヒテンシュタインまでは2時間ほどで行けてしまう。ほとんどの人が見向きもしないめちゃくちゃ小さい国に果たして何があるのか?気になったが、それにしても調べた感じ本当にやることがなさそう。あと、片道二時間ほど、といっても新幹線を使って日帰り大阪観光するようなもの。ちょっとしんどい気がする。
友達にはベルンを推されていたが、ベルンもそれなりに距離があるので、同じ時間がかかるのであればリヒテンシュタインかな、とも思っていた。
代替の行き先をGoogle mapで探しているとルツェルンという町がよさそうだということになった。片道1時間だし、値段も往復で4000円ほどで、前日に予約しているにしては悪くない。ということで、ルツェルンという、チューリッヒ南西の町に行くことにした。
ルツェルン
ルツェルンまではチューリッヒから1時間、割引運賃だと12.5フラン(1400円ほど)で行ける。
ここルツェルンは水の都ともいわれていて、湖から川になっている部分に面する町で、降りた瞬間に湖が目に飛び込む。
また、世界一急こう配の登山鉄道であるピラトゥス鉄道の玄関口ということもあり、バックグラウンドにはアルプス山脈が広がっていたりしてとにかく「これぞスイス!」といっても過言ではないような景色が広がっていた。
町からちょっと北側に登ったところには城壁があり、この塔に登れる…ということが他の人のブログに書いてあったんだけど全部閉まってた。街を一望できるかなぁと期待していただけに残念。
川の部分では1800年代後半から水力発電がおこなわれていたが、90年ほど稼働した後に欠陥が露呈してきて、廃業になったらしい。今も歴史的建造物として跡はそのまま残っている。
どこか見晴らしのいい場所はないかなと思った時に、目に飛び込んだのが丘の上にあるホテル。近づいてみるとエレベーターのようなもので上がれることがわかり、しかもそれがバスと同じように公共交通機関として機能していたので、とりあえず登ってみることに。
Château Gütschという名前の場所で、城壁の塔に登れない間はここが一番見晴らしが良い場所になるんじゃないかなーと。上るとホテルのほかに野外美術館のようなものもあり、片道2.5フラン払う価値もある。
川を挟んで左側が旧市街、右側が新市街、といった風に分類される。
町を歩くと、とにかく中国語の看板をよく見かける。公用語であるドイツ語、観光客向けである英語があるのもわかるけれど、その次がフランス語やイタリア語ではなく中国語なのにはびっくりした。まあスイスに住んでいるイタリア語圏のひとやフランス語圏の人も基本的にはドイツ語英語を理解できる、っていう背景はあるのかもしれないけれど、それにしても、だ。
そういった看板からも中国人観光客が普段はとても多いのだろうということは想像に難くないけれど、コロナウイルスの影響でほとんど見かけなかった。
ちなみにスイスのドメインはswとかではなくchで、なんでだろう?っておもったしなんなら中国と紛らわしいな、って気がしたけど、ラテン語でスイス人、を意味する単語の頭文字をとっているらしい。
ヨーロッパ旅行で昼食といえばケバブ。物価の高い国でもケバブだけは期待を裏切らない。ここルツェルンのケバブ屋さんもそうで、10フランで飲み物と直径20センチちかい特大のピタケバブを食べれる。大勢の学生や労働者が列をなしていた。
町自体は大きくもないので、3-4時間歩き倒してもう十分、と思ったので3時ごろにチューリッヒに戻り、そのあとはFIFAのフットボールミュージアムに行ったりして(個人的にはとてもよかったんだけど文章にするのも難しいので割愛)時間をつぶした。
友達の家でシャワーを浴び、夕食をとって夜行バスに乗り込む。留学中に幾度となく利用したFlixbusでフランクフルトまで。
フランクフルトは以前一度行っているのだけれど、ハンガリーやイスラエルを訪れた自分史上1,2を争うタフな旅の後に訪れたのでいかんせん記憶が薄れている、というかハンブルクの記憶とところどころ混ざっているけど、以前訪れたところにもう一度行けばだいぶ記憶もよみがえるかな?と期待。
Flixbusでは思いのほか熟睡でき、東横インの隣にあるバス停で下車。ここまでは記憶通り。というわけでこれからフランクフルトの街を歩いて来ようと思います。