備忘録

書きたいことや思ったことの殴り書き。

アフリカ旅行記-タンザニア①

朝4時半にアラームで起き、身支度を済ませ、前日に頼んでおいたバイクタクシーでシャトルバスが出る場所まで連れて行ってもらう。

 

朝5時にシャトルバスに乗ってモンバサのSGRステーションを目指す。シャトルバスと言っても、いわゆるミニバスだ。寝れれば良いのだけれど、至る所にあるバンプの度にシートごと突き上げられ目が覚める。寝ては起きてを繰り返しながら、2時間弱でモンバサのSGRステーションに到着する。

 

今日の行程としては、とりあえず高速鉄道SGRで行ききた道を戻ってVoiで下車、VoiからTavetaという国境沿いの街まで行って国境を越え、そこからモシを目指す。

 

行きはエコノミーしか席が残ってなかったので仕方なくエコノミーを選んだけれど、帰りはファーストクラスが大量に余っていたのでファーストクラスを選択。今日は長丁場なので楽できるところは楽して行く。

ファーストクラスラウンジなるものもあると聞いていたけれど、単純にファーストクラスの人のみが滞在できるフロアというだけで、ドリンクや軽食もないし待合の席も普通だった。これならわざわざ3倍の値段(と言っても1000円ほど)を払わずにエコノミーにしてもよかったかもしれない。

車内もそうで、新幹線タイプなのでまあまあリラックスはできるけど、それ以上でもそれ以下でもない、と言った感じで、車両には自分含めて4人ほどしか乗っていなかった。

音楽を聞きながら本を読んでいると後ろの席に座ってる人に声をかけられる。何かを注意されるのかと思ったら「お願いがあるんだけど、髪を触らせてもらえる?」という新手のナンパのようなものだった。新手の、と書いたけど実はこういった事を言われるのはアフリカでは2,3回目なので、電車の中で言われたのにはびっくりしたけど言動に対しては慣れてきた。意味不明だけど。

 

2時間ほどでVoiに着く。ここも高速鉄道の駅舎は立派だけれど周りには例の如く何もない。ミニバスが出ているところまで歩くと結構かかりそうだったので、100シリングでトゥクトゥクに乗って中心地まで行く。

VoiからTavetaという国境沿いまでのミニバスを探し、一番人が乗っているバスに乗り込む。1時間ほど待って出発し、そこから2時間ほどでTavetaへ到着。道中車内からはゾウやキリンが見えた。Tavetaの街から国境までは5キロほど離れているので、今度はバイクタクシーに乗って国境まで連れて行ってもらう。

ということで、ここまでミニバス→鉄道→トゥクトゥク→ミニバス→バイク、と4回も乗り換えていることに。とはいえ14時半に国境に着くというのは結構順調なように思う。

国境のところには1つのオフィスがあり、そこでケニア出国とタンザニア入国の手続きを済ませられるのだけれど、タンザニアのビザをあらかじめ取得していたにもかかわらずシステムに登録されていないとかでかなり時間がかかった。今までの国境と違うのは、入り口と出口が限りなく近いので、変な話タンザニア側のスタンプをもらったままケニアに行くこともできてしまう。何のメリットもないけれど。あとは、しれっと不法入国することも可能といえば可能な気がする。それくらいぬるっとした感じで、タンザニアに入国した。

 

タンザニアは小学校の頃に親に買ってもらった世界の国々大図鑑のような本の中で一番行ってみたいと思っていた国。その気持ちが今までずっと続いていたかといわれればそんなことはないのだけれど、自分をアフリカという場所にいざなった国であることには間違いない。

 

国境を越えたタンザニア側の街はHoliliという。とはいえ国境を越えてからしばらく歩かないと街の中心にはつかないので、15分ほど歩く。そこからミニバスに乗ってモシに行く予定なのだけれど、果たしてミニバスが見つかるかはわからず。

中心地に着くと、数台のミニバスらしきものが止まっているのが見えた。「これに乗りな」と手招きされたミニバスには一人も乗っておらず、これではいつ出発するか分かったもんじゃない。その隣にあった比較的人が乗っているミニバスに乗ることに。今まで乗ってきた車の中でも5本指に入るくらいのおんぼろ車で、車内の至る所が配線むき出しになっているし、車のドアを開けるレバーすら壊れているような車だった。そんな車の中にはすでに10人ほどが乗っており、車の後部座席の方には大量の荷物が積まれている。

乗車して10分ほどで発車する。さすがに12時間近く移動していると疲れもくるので、バスのなかでウトウトするのだけれど、バンプのせいで目が覚める。長時間の移動なんて寝るくらいしかやることがないのにそれもできないといよいよやることが無くなる。

そして、途中人が乗り降りするわけでもないのに車がよく止まる。よく観察してみると、警察によって止められて荷物検査をされていた。なるほど荷物がたくさん載っている車だとこういうことにもなるのか。途中後ろの席から何か声をかけられるがスワヒリ語なのでわからないので適当に流す。わかる単語といえばMzungu(外人)という単語だけなので、まあなんとなくいい気はしない。疲労がたまっていなければもう少し会話をしようとか思うんだろうけど、今はあまり乗り気じゃない。ごめんよ声かけてくれた人。

 

18時頃、ケニアを出発して12時間後、やっと目的地のモシに着いた。見えると思っていたキリマンジャロは深い雲が覆いかぶさっていてどこにあるかさえわからない状態だけれど、とにかくその日のうちに着けたのはよかった。朝からほとんど食べていないような状態だったので、バスターミナル前に会ったバーベキューグリルのローカル食堂でチキンを頼んで食べることに。変なおじさんに声をかけられるがとりあえず無視して食べる。

チキンは少しパサついていたけれど、それでも空腹だったのもあってかなり美味しかった。で、会計を済ませようといくらか聞くと、30000シリングと言われた。耳を疑った。30000シリングというと日本円で大体1900円ほど。ローカル食堂でそんなにするわけもないので、そんなしねぇだろと抗議をするものの、これが正しい値段だとの一点張り。何度もやり取りをしたが、疲れていたのもあって、もう議論するくらいなら胸糞悪いけど払って出てきた方がと思って机に30000シリングを叩きつけて外に出る。

ぼったくられたのは明らかだけど、今は宿に着いて休みたい。目星をつけていた宿に着いてチェックインを済ませた後に、「これに30000シリング払えって言われたんだけど、どう思う?」って聞いたら「そんなのありえない!お金を返してもらうべきよ」と言われた。ローカル食堂なのでレシートとかいう概念もないし、返金してくれないだろうなとは思うものの、疲れによって抑圧されていた怒りが再びふつふつと湧いてきた。

というわけで荷物を宿において再び先ほどの食堂に向かって、対応した店員を見つけ「お前さっきの値段絶対嘘だろ、金返せよ」と言う。が、スワヒリ語が通じないので近くで暇をしていたトゥクトゥクのドライバーに頼んで翻訳してもらう。店員は「これが正しい値段だ」の一点張り。

らちが明かないので、事情を知らない他の店員を捕まえて「チキンとポテトでいくらか」と聞くと「7000シリングだ」と言われる。言質を取ったうえでもう一度店員に言うと「お前と一緒に来たやつがいるだろ、そいつの分も合わせて30000シリングだ」と言い分をしれっと変えてきた。これ以上言い合いしてもらちが明かないし、周りに人がたくさん集まってきたので、警察署に行って話し合うことに。警察署に行って話し合ったところで何も変わらないだろ、とは内心思ったけれどわずかな希望を残して警察署に向かう。

薄暗い警察署の中には老若男女いろんな人が足繫く出入りしていた。カウンターの向こうにある南京錠付きの鉄扉が時折開くと、その先には檻のようなものも見える。なるほど、なにかあったらとりあえずここに拘留されるのか。自分たちの番が回ってくる。警察に対して双方言い分を伝える。向こうがスワヒリで何を伝えたのかわからないが、こっちはこっちで英語で説明をする。ヨーロッパや日本の感じだと「そういうのは当事者同士で解決してくれ」と言われそうなところだが、意外にも警察は「何も知らない外国人に対して、7000シリングのものに30000シリング請求した店員が悪いだろ、ちゃんと返金しろ」と自分の味方をしてくれた。まあ向こうに非があるのは間違いないけれど、ここまで警察がはっきり言ってくれるとは思っていなかった。結局向こうもお金を持っていないだとかなんだとかで、10000シリングを返してもらうというので折れることに。これ以上は議論してもらちがあかなさそうだったし、何よりもう時刻は22時を回っていた。

返してもらった10000シリングのうち、5000シリングをトゥクトゥクのおじさんに謝礼として渡す。彼がいなかったらそもそもこのお金は帰ってこなかった気がする。そうすると「ありがとう、宿までおくってあげるよ」と言われたので、ありがたく送ってもらうことにする。

宿に着くと、「5000シリングだ」と相場の5倍の値段を要求される。いやいや、さっき5000シリングあげてこれで5000シリング渡したら俺の返してもらったお金なくなるじゃん、というと「俺はお前のためにかなり長い時間待ってたんだぞ」と言われる。勘弁してくれよ、と思いとりあえず相場の1000シリングだけ渡してそそくさと宿に逃げ込む。

とにもかくにも鬼のように疲弊した1日だった。ここまでのタンザニアの印象ははっきり言って最悪。騙すやつ、1円でも多く金をせびろうとするやつ、に当たりすぎた気がする。

 

次の日、朝起きて朝食を宿で取り部屋に戻ると、オーナーに「あなたを迎えに来たっていってるトゥクトゥクがいるんだけれど」と言われる。窓から外を見ると昨日のトゥクトゥクだった。配車頼んでないんですけど。外に出たら昨日のやり取りの続きをするんだろうな、と思うので「寝てることにしておいてくれ」と伝える。が、待てど待てどその彼は帰らない。3時間ほどして外を見ると、さすがにあきらめたのか彼の姿はなかった。タンザニア2日目も疲労の溜まるスタートである。

こういうストレスが溜まると胃に負担がくる傾向があるのだけれど、今回も胃が痛い。これサファリ大丈夫かな、そんなことを考えるけど、とにかく一刻も早くサファリに参加して次の街アルーシャに向かいたい、そんなことを考える。