備忘録

書きたいことや思ったことの殴り書き。

アフリカ旅行記-タンザニア⑤

朝4時、目覚ましを使うまでもなく目が覚める。普段の早起きは滅法苦手だけれど何か用事がある時に寝坊をしたことはほぼない。

 

宿の人が用意してくれた朝食、というかパサパサの食パンを水で流し込み、前日に手配しておいたバイクでバス停まで向かう。

乗り込んだバスは思ったより綺麗な最新のバスだった。座席の幅は狭いけど、これで移動できるなら16時間の移動も心配なさそうだ。

が、乗り込んだバスはどうやら今日目指すムベヤ行きのバスではなく、5時発のそのバスでバスターミナルまで行き、バスターミナルからは同じ会社の別のバスだと言われた。

 

同じ会社だし同じクオリティのバスなら、、と願っていたものの、バスターミナルで誘導された先にあったバスは内装だけ見るとかなり年季の入ったバスに見えた。実際はUSBポートも付いていて(しかも使用できた!)そんなに古くないのだけれど、酷な使用でかなり早い段階でガタが来たのだろうと思う。

足のスペースは40cmあるかないかとかで体勢を変えるのも難しい。おまけにフットレストが壊れていて変な位置で固定されているため、余計に足の自由度が低くなっている。

 

バスは6時を少し過ぎた時間に出発。時間はたっぷりあるし、何せ4時起きということもあるのでまずは寝る。思ったより道路が悪くないからなのか、急ブレーキ以外は特に問題なく、寝たり携帯をいじる余地があるような感じだったので、思ったよりは快適だ。

しばらく寝て、本を読んだりすると11時ごろに比較的大きな町に着く。そこで10分休憩があったので、揚げドーナツのようなものとオレンジを買って食べる。

つかの間の休憩を挟んで、バスが再び走り出す。席の狭さにも慣れてきて、思ったよりもストレスは感じない。ひたすら本を読んだり、寝たり、動画を見たりを繰り返していれば時間は過ぎる。15時に2回目の休憩。休憩の感覚的におそらくこれが最後の休憩だろうな、ということで露店の牛串を買って空腹を凌ぐ。

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そこからさらに6時間ほどバスに乗り、21時にやっと目的地ムベヤに着いた。思ったよりは疲れなかったけれど、それでもそこそこの疲労を感じる。バスターミナル近くの露店でご飯と豆のシチューを100円くらいで売っていたので食べてエネルギーを回復。食べた後は流れるようにあらかじめ調べておいた近くのモーテルのようなところに転がり込む。

転がり込んだところはごく普通のホテルの一室で小綺麗だったけれど、バスルームの扉を開けると、まずシャワーがあってその奥に和式トイレがあり、和式トイレが排水溝も兼ねているという不思議な構造だった。そしてホットシャワーは出るのだけれど、ホットシャワーの機械が漏電していて、スイッチをオンにしたまま金属の蛇口をひねろうとすると手が震えるというとんでもない仕様だった。

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ムベヤへの道中で友達が電話をかけてくれたけど電波が悪すぎて取れなかったので折り返す。一人旅だと無性に話したくなる時があるので、こうやって電話が気軽にできるのはありがたいなと思ったりする。

 

次の日、朝8時ごろにチェックアウトを済ませ、国境沿いの街であるイピンダを目指す。宿の人に手伝ってもらってバスターミナルの中からイピンダ行きのミニバスを探しだして乗り込む。今回も明らかに4人掛け(3人分のシート+補助席)のシートに5人が乗るぎゅうぎゅう詰めのスタイル。途中謎に車の乗り換えをさせられたが、2時間半ほどでイピンダからさらに国境沿いに行ったカスムルという村に着いた。ここまで来ればバイクも使わずに徒歩で国境まで行けそう。おびただしい数の客引きを振り払って歩き出す。

朝から何も食べてないので、国境沿いで何か店を見つけて空腹を満たしたい、と思っていたところでスイカ売りの露店があったので、1/6カットほどのスイカをいただく。いくらかわからずに5000シリング札(300円)を渡すと「おつりがないよ…」とぼそっと言われたので、1000シリングを渡すと、500シリングが返ってきた。なんと30円でこのスイカである。味もめちゃくちゃ甘くて、「こんなのが30円で食べられてしまっていいのか…!」となる。アフリカの果物は品質維持とかの問題で日本にはなかなか回ってこないけれど、現地で食べるとやはりものすごくおいしい。

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15分ほど歩いて国境に着いた。川が国境になっていて、これを渡ればマラウイだ。いわれるがままにタンザニアのボーダーオフィスで出国手続きを済ませて川を渡る。

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陸路で国境を越えるとき、国境を越えてガラッと雰囲気が変わるような場合もあれば、国境が単なる記号でしかないような場合もあるが、今回は後者な気がする。ボーダーオフィスを超えてもなお橋の下では農作業が繰り広げられているし、現地の人は特に手続きなしに行き来が出来る様だ。

今まで行った中だと、例えばオーストリアからスロバキアに入ると露骨に工場や団地が多くなり、国境を越えたと共に全く別の国に入ったことを実感したりした。国境一つを取っても面白いなと思う。

 

川を渡って、58か国目、マラウイへ。